【KEY BOOK】「驚くべき日本語」(ロジャー・パルバース著、早川敦子訳/集英社インターナショナル、1080円)
リンガ・フランカとは世界共通語のことだ。本書は「日本語がリンガ・フランカにふさわしい」と強調する。これまで、そうならなったのは次の3つが阻んできたからだ。(1)日本語は日本人特有の特殊性をもつ。(2)日本語は曖昧だ。(3)日本語を外国人が使うのは難しい。パルバースはいずれもノーであると断言する。だったら日本人はもっと自信をもっていいのだが、それには日本人が「何を学ぶか」から「いかに学ぶか」に転換すべきなのである。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)
■まつおか・せいごう 編集工学研究所所長・イシス編集学校校長。80年代、編集工学を提唱。以降、情報文化と情報技術をつなぐ研究開発プロジェクトをリードする一方、日本文化研究の第一人者として私塾を多数開催。おもな著書に『松岡正剛千夜千冊(全7巻)』ほか多数。「松岡正剛千夜千冊」(http://1000ya.isis.ne.jp/)