【アートクルーズ】
≪人の絆でよみがえった「大事な宝」≫
特別展の「みちのくの仏像」と「3・11大津波と文化財の再生」が、東京国立博物館で同時開催されている。「みちのくの-」展では、千年に1度という貞観大地震(869年)から東日本大震災(2011年)までを見つめていた薬師如来像をはじめ、東北6県から国宝、重要文化財の仏像が集まるのは初めて。「3・11大津波-」展では、岩手県陸前高田市の文化財を中心に4年間で16万点が修復された経過を紹介している。両展覧会を通して、大震災の記憶をたどりながら、東北の魅力を再発見したい。
「みちのくの仏像」で展示しているのは、国宝「薬師如来座像および両脇侍立像」(平安時代9世紀、福島・勝常寺)1点、「聖観音菩薩立像」(平安時代11世紀、岩手・天台寺)など重要文化財8点を含む計19点だ。
とくに、15年ぶりに東京で公開された福島・勝常寺の国宝の薬師如来座像と両脇侍立像に加え、岩手・黒石寺の重要文化財「薬師如来坐像」(平安時代・貞観4年)、宮城・双林寺の重要文化財「薬師如来座像」(平安時代9世紀)を合わせた、東北を代表する“3薬師如来”がそろい踏みするのも初めてとなる。