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【国際政治経済学入門】ギリシャのユーロ離脱が合理的 (2/5ページ)

2015.1.28 09:35

ユーロ圏の長期国債利回り=2007年1月~2015年1月。※データ:CEIC

ユーロ圏の長期国債利回り=2007年1月~2015年1月。※データ:CEIC【拡大】

  • ギリシャ総選挙で勝利を決め、首都アテネで支持者を前に演説する急進左派連合のチプラス党首=2015年1月25日、ギリシャ(AP)

 公務員天国で、しかも年金受給者は現役当時の給与の大半の支給を受ける。放漫財政の体質が染み付いている問題国であることは、2001年のユーロ圏加盟時にドイツ、フランスなどユーロの中心国にもわかっていたはずだ。そのギリシャをユーロに加盟させることに、もっとも熱心だったのがドイツである。

 ドイツ連銀のシュレジンガー総裁(当時)ら指導者たちは「ユーロ」には、ギリシャの参加が欠かせないと判断した。理由は「ヨーロッパ」としてのアイデンティティーである。早い話、「ユーロ」の語源はギリシャ神話にさかのぼる。ギリシャ神話の主神たる全知全能の神々の王ゼウスが、フェニキアの王女、エウロパ(EUROPA)姫を見初め、牛に化けて誘拐し、ギリシャ北部からドナウ川下流域の上空を連れて回った。その神話からヨーロッパ、ユーロという呼称が生まれた。

 残忍な独裁者ヒトラーはギリシャ・ローマ文明の正当な後継者という野心を持ち、ベルリン五輪(1936年)ではギリシャ・オリンピアで聖火を採火し五輪史上初めて聖火リレーを行った。オリンピアを出発して、ブルガリア、ユーゴスラビア、ハンガリー、オーストリア、チェコスロバキアを経由し、ドイツ国内へ入った。ゼウスとエウロパ姫のルートを意識したのだろう。ドイツはギリシャ文明の終着点だと誇示したかったのだ。

ギリシャ神話と古代ギリシャ文明というアイデンティティー保全のため

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