3月26日、米アラバマ州バーミングハムのコミュニティーカレッジで演説し、改めて最低賃金の引き上げを求めるバラク・オバマ大統領。会場には、中間層を支援するオバマ政権の政策「ミドルクラス・エコノミクス」の看板も掲げられた=2015年(ロイター)【拡大】
賃上げの流れを強めたのは賃金の安さで労働組合から批判されることの多いウォルマートだった。ウォルマートが2月に発表した賃上げは最低賃金を4月から1時間当たり9ドルとし、さらに来年には10ドルまで引き上げるというもの。ウォルマートにとっては年間10億ドル(約1200億円)の負担増だが、約50万人の従業員が恩恵を受けるという。
また米メディアは3月、米小売り大手のターゲットが最低賃金を1時間当たり9ドルまで引き上げると一斉に報じた。このほかディスカウント衣料品大手のTJXも6月からの賃上げを発表済みだ。
賃上げの背景には、景気拡大で失業率が大きく下がるなか、企業間で労働力の獲得競争が激しくなっている事情がある。ターゲットの最高経営責任者(CEO)、ブライアン・コーネル氏(55)は3月5日の金融アナリスト向けの会見で、店頭での接客の質が他社との差別化につながるとし、「賃金の面でも競争力を高くしたい。能力のある人材を集め続けることができる」としていた。