3月26日、米アラバマ州バーミングハムのコミュニティーカレッジで演説し、改めて最低賃金の引き上げを求めるバラク・オバマ大統領。会場には、中間層を支援するオバマ政権の政策「ミドルクラス・エコノミクス」の看板も掲げられた=2015年(ロイター)【拡大】
オバマ氏の思惑通り
ウォルマートやターゲットの賃上げはオバマ氏にとっては思惑通りの展開だといえる。オバマ氏は昨年、連邦政府の契約企業職員らの最低賃金を10.10ドルとする大統領令に署名するなど、賃上げを求める姿勢をことあるごとに強調してきた。得意の弁舌で世論に呼びかけることで企業に圧力かける狙いだ。また議会では共和党が連邦政府が法律で定める最低賃金(7.25ドル)の引き上げに反対しているが、オバマ氏は今年1月の一般教書演説で「懸命に働いている何百万もの米国民の賃金を上げるために票を投じるべきだ」と共和党に対応を迫っている。
ただし今回の賃上げの流れが実際に労働者の本格的な生活向上につながるかどうかには不透明さも残っている。米国の労働市場では賃上げペースの遅さに加えて、フルタイムでの勤務を希望しながらもパートタイムの仕事しか見つけられない労働者が多くいることが問題となっているからだ。