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【アメリカを読む】広がる賃上げ 労働力獲得競争が激化 (4/4ページ)

2015.3.31 09:55

3月26日、米アラバマ州バーミングハムのコミュニティーカレッジで演説し、改めて最低賃金の引き上げを求めるバラク・オバマ大統領。会場には、中間層を支援するオバマ政権の政策「ミドルクラス・エコノミクス」の看板も掲げられた=2015年(ロイター)

3月26日、米アラバマ州バーミングハムのコミュニティーカレッジで演説し、改めて最低賃金の引き上げを求めるバラク・オバマ大統領。会場には、中間層を支援するオバマ政権の政策「ミドルクラス・エコノミクス」の看板も掲げられた=2015年(ロイター)【拡大】

 生活向上は不透明

 米メディアはウォルマートの従業員の中には週40時間の勤務を希望しながらも、実際には20時間程度しかシフトを組んでもらえないといったケースもあることを指摘。米紙ニューヨーク・タイムズの取材に応じた2人の子供を抱える21歳のシングルマザーの従業員は「もっと働く時間を与えてくれない限り、十分ではない」と嘆いている。ウォルマートは年間160億ドル(約1兆9000億円)の最終利益を上げており、労働界からは「まだまだ労働者の賃金に資金をまわす余裕がある」との声も根強い。

 しかし小売業界は今後の賃上げや労働時間の設定については、労働市場の需給関係を見極めながら慎重に検討する考えだ。全米小売業連盟(NRF)はウォルマートの賃上げに際して「市場経済の力を示した」とする声明を発表し、ウォルマートが従業員や顧客、株主の利益を考慮したうえで自主的に賃上げを決めた点を強調。「政府が政治的な意図で企業に賃上げを義務づけることは不必要なうえ、雇用の創出を妨げる」としている。

 一方、オバマ氏はアラバマ州での演説でも改めて最低賃金引き上げを求めており、政府の介入を嫌う産業界との摩擦は続きそうだ。(ワシントン支局 小雲規生(こくも・のりお)/SANKEI EXPRESS

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