日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=千葉県内(財満朝則撮影)【拡大】
≪叱られて「悪」を知り、褒められて「善」を知る≫
水が低きに流れるように、人は「悪」に流されやすいもの。仏様の教えの中に「~してはならない」ということが数多く見られるのは、放っておけば人間は「悪」を犯す割合が多くなるからと言えましょう。ことに濁世といわれる末法時代に生まれてくる人間の生命は汚れているため、悪を止めることは必須です。
人間に限らずどんな動物でも育っていく過程において「してはならないこと」を教わります。寺院でも飼い犬が何度か出産したのを見てきましたが、子犬の離乳のあとしばらくしてから母犬の教育が始まります。自分のご飯に子犬が顔を突っ込んで食べても静かに見ていた母犬は、ある時点から「それは絶対にダメ」というように子犬がけがをしない程度にかみついたり威嚇して教えます。子犬は恐れおののきながら「してはいけないこと」を身を以て知るのです。