ジャズ発祥の街ニューオーリンズ。中心部のフレンチ・クオーターでは至る所で音楽が鳴り、街角を曲がるたびに違った音色が聞こえてくる=2015年3月16日、米ルイジアナ州ニューオーリンズ(川口良介撮影)【拡大】
全長約80メートル、1200人乗りの「ナッチェス号」は1975年に就航した。穏やかに航行する船を、対岸から子供たちが手を振って追いかける。船上ではディキシーランドジャズの演奏に合わせ、マイアミから春休みを利用して訪れたという学生たちが軽快に踊っている。今は観光客を乗せているこうした蒸気船も、かつては綿花やサトウキビなどを積み、忙しくミシシッピ川を往来していたのだろうかと想像していると、蒸気船の船員として働いていた作家、マーク・トウェーンが残した「トムソーヤの冒険」の世界が目の前に広がったような気がした。
ニューオーリンズは北のポンチャートレイン湖、そして大きく蛇行するミシシッピ川に沿うその地形から「クレセントシティー(三日月の街)」の愛称で親しまれている。全長3779キロメートル、水源となるミネソタ州イタスカ湖に降った雨が河口に達するまで約90日を要するという、アメリカ最長の大河ミシシッピ川。ニューオーリンズより上流は水深が浅く大型船は航行できない。河口から入ってきた大型船の貨物はすべてニューオーリンズの港でいったん降ろされ、街は交易で栄えた。