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見えない現場が見えてくる 町田康 (2/4ページ)

2015.5.20 18:30

(町田康さん撮影)

(町田康さん撮影)【拡大】

  • 「愛と人生」(滝口悠生著/講談社、1700円+税、提供写真)
  • 「なんでもない所をどう表現するかに、作家の蓄積した技術が試されると思う」と話す、作家の町田康さん=7月26日、東京都港区(瀧誠四郎撮影)

 文章内に生じる時差

 というのが実際のところなのだけれども、こうして文章を書く場合、やあ、藤の花が咲いているなあ、と思った。ということにそのすべての気持ちを集約させて、それで終わりにしてしまうことが多い。

 なぜならそうしたその瞬間のすべてを書いていると、文章のなかに生じる時間というものがグシャグシャになって、書くものがディレクションできなくなってしまうからである。

 なんてことは普段は意識しないのだけれども、そんなことをつい思ってしまうのは、滝口悠生の『愛と人生』を読んだからで、この小説は、何十年にもわたって盆暮れに人の心を和ませ、共感を生んできた国民的と呼称さるる、山田洋次監督作品「男はつらいよ」シリーズを動機としているが、このなかでは、そうした様々の人間の思いが縦横に描かれ、なおかつグジャグジャにならず、小説としてのまとまりを保ち、独自の思想や感情が提示されていた。

瞬間の組み合わせ

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