深作は橋爪の朗読公演を演出しており、今回の作品では英語圏とドイツ語圏のミステリーの違い、日本とドイツの共通項を掘り下げる。「英語圏の演劇は叙情的、ドイツ語圏は叙事的で人間を探求していく文化がある。また終戦後、米国との関係で民主主義を積んだ日本と、東西分断からEU統合に至ったドイツは似ているようで違う。その歴史の積み重ねを背景にしたシーラッハの自画像が、ゼバスティアンとビーグラーに投影されている」
ゼバスティアンには多面的で曖昧な人間の姿が映し出される。「描かれるのは人間についてのミステリー。同じ人間が殺人を犯したのかと思えば恋人と普通に暮らしている。その不思議さがテーマであり魅力」と深作は言う。
舞台は過去を緑、事件は赤、裁判は青という光の三原色を主題に展開される。三原色のはざまにあるはずの「淡い色」が見えない人間の曖昧さを感じさせる。
難しいけれど魅力的
ジャニーズJr.の真田は初のストレートプレー主演。「難しいけれど魅力的な作品。人間は正解がないから面白い。人によってゼバスティアン像は違い、僕にも共感できる部分とそうでない部分がある。お客さまは見る前と後で百パーセント、イメージが変わる。『人間とは何か』のメッセージを受け取り、昇華していただく舞台になる」