このときモリムラ伯は「ぼく」に扮装し、舞台の袖でぼくが話を始めると、あたかも「ぼく」のような身振りで“松岡ぶり”を演じたのですね。大ウケでした。上の写真はそのときのキチョーな記念スナップです。
モリムラ・アートは「肖(あやか)る芸術」である。ゴッホにも三島由紀夫にもゲバラにもフリーダ・カーロにも岩下志麻(しま)にも成りきって、美術史や表現史そのものを根底から揺さぶっていく。そこには「似る」とは何かということが問われ、「うつす」とは何かということの普遍が俎上にのっている。美術が写生やスケッチを重視してきたのは誰もが知っているが、では「うつす」(写す・映す・移す)とは本来どういうことなのか、あまり考えてこなかったのだ。