後半33分に阪口が決めたミドルシュートの2点目も、ゴール前で4人が連係してボールを動かして生まれた。
左から宮間が折り返したボールに、先に走り込んだ岩渕はシュートを打てそうだったが「スルー」と声を上げた。「夢穂(みずほ)さん(阪口)の方が決められるかなと思ったので」とパスをまたぐと、期待に応えて阪口が左足を振り抜き、ゴールの左隅を射抜いた。「ゴール前で崩しきろうとしてしまうのがチームの悪い癖。打った方が可能性が高い。思い切り打とうと思った」と、試合前に口にしていた反省をしっかり生かした。
終了間際にGK海堀のミスで1点を奪われ、ヒヤリとしたが、完勝といっていい内容。
エースの大儀見は「守備も攻撃も距離感がすごく良かった。近い距離に味方がいることで、それぞれの良さが出る」と、声を弾ませた。右サイドから何度も好機を作った川澄は「この勢いを持って次に行きたい」。この試合の最優秀選手に選ばれた阪口も「次に向けても、いい試合だったと思う」と、口をそろえた。
一発勝負の決勝トーナメント。次戦へと弾みをつける手応えをつかんだことが何よりも大きい。(SANKEI EXPRESS)