6月24日、米首都ワシントンの米国務省で行われた「米中戦略・経済対話」の閉幕式に臨む中国の汪洋副首相(左)とジョン・ケリー米国務長官=2015年(ゲッティ=共同)【拡大】
≪習氏訪米にらみ 「成果」と「深い溝」≫
米国と中国の両政府は24日、ワシントンで開かれた閣僚級の「米中戦略・経済対話」を終えた。大国としての自信を隠さず、南シナ海で存在感を誇示する中国に対し、危機感を募らせる米国はオバマ大統領が自ら懸念を伝達。対立が解けない課題を残しながらも、双方は経済分野を中心に“融和”を演出。習近平国家主席の9月訪米をにらみ、駆け引きを本格化させた。
127項目で合意
「建設的で生産的な対話だった」。閉幕式でケリー米国務長官は、双方に利益がある気候変動対策やエボラ出血熱の感染国支援などの合意事項を列挙。中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に、よう・けつち)国務委員も「われわれが共有する利益は相違点よりはるかに多い」と応じた。両国関係は経済的な相互依存の高まりに加え、北朝鮮やイランの核問題などに対応する上で双方ともに「全面対立の余裕はない」(汪洋・中国副首相)のが現状だ。