6月24日、米首都ワシントンの米国務省で行われた「米中戦略・経済対話」の閉幕式に臨む中国の汪洋副首相(左)とジョン・ケリー米国務長官=2015年(ゲッティ=共同)【拡大】
「競争はあるし、激しい見解の相違もあるだろう」。開幕時にジョー・バイデン米副大統領(72)が語ったように、今回の対話で溝は埋まらなかった。閉幕後の記者会見でケリー氏は米中関係が良い方向に向かっているとの認識を示した上で「いくつかの問題で対立があるのは間違いない」と認めた。
対等な姿 強調
中国は「経済関係の強化は、両国関係全体を安定させ、推進する装置だ」(財政省)として経済面から米国との関係の安定化を図りたい考えだ。
欧米主導の既存の金融秩序に不満を強めた中国は自ら、国際金融機関、AIIBの設立に走った。今月29日には北京に創設メンバー57カ国の代表を集め、設立協定の署名式を開く。
中国の国営メディアは今回の対話を報じながら「中国は国際貿易、金融システムの参加者から策定者へと変わりつつある」と自賛。中国の政府系研究者も「(米中の)摩擦が増えているのは、中国の国力が増したことに米国が適応できていないからだ」と分析する。
中国側は今回の対話で、互恵重視の「新たな形の大国関係」構築を何度も強調。習氏の訪米では、オバマ氏と対等に渡り合う姿を世界に印象付けることを狙うとみられる。(共同/SANKEI EXPRESS)