【KEY BOOK】「文字の歴史」(ジョルジュ・ジャン著、矢島文夫監修/創元社、1728円)
コンパクトに世界の文字の変遷がわかる。とくに文字がどのような素材によって生まれてきたか、筆記用具がどのように変化したか、グーテンベルクの活版印刷が文明と文化に何をもたらしたのか、文字の特徴は民族や風土の何をあらわしているのかを、俯瞰する。他方、文字はアートでもあったということも強調する。われわれ一人ひとりには「筆跡」というものがあり、そこから無類のアートが生まれうる。とくにアンリ・ミショーに注目してほしい。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)
■まつおか・せいごう 編集工学研究所所長・イシス編集学校校長。子供の頃から反転文字を書くことが得意。上下をそのままに左右を逆転させて書いていると頭のなかに文字の鍵と鍵穴ができる。最近は絵とも字ともいえない「遊書」をたしなんでいる。個展もしばしば開いている。「松岡正剛千夜千冊」(http://1000ya.isis.ne.jp/)