渡辺監督と長きにわたってコンビを組んだ元部長で、名参謀として知られる小倉清一郎さんの存在も欠かせない。私が練習を見に行ったとき、選手がまだ誰も現れていないのに、小倉さんが一人土ぼこりにまみれてグラウンドの整備をしていたのが忘れられない。野球に懸ける熱意は人一倍。横浜が高校野球史に残した金字塔は、二人三脚でなし得たのだろう。
「人生そのものだった」
渡辺監督も70歳になった。「松坂世代」の活躍から17年も経過するのだから無理もない。
ここ数年、甲子園に出場した横浜高の野球を見ていて、残念なことがある。そつのない「渡辺野球」らしくないプレーが目につくようになった。
たとえば、キャッチャーがベースカバーを怠っていたり、他の選手がミスした後のリカバリーが雑になっていたりという場面だ。