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〈いのち〉には動的重層性がある! 生命と意識と地球をつなげる仮説に挑んできた清水博83歳 松岡正剛 (4/5ページ)

2015.8.7 15:00

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)【拡大】

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 【KEY BOOK】「新装版 場の思想」(清水博著/UPコレクション・東京大学出版会、3132円)

 清水さんはいまでも「場の研究所」の主宰者だ。清水理論にとって「場」や「場所」はすべての仮説の母なのだ。だから清水理論には実にわかりやすく、西田幾多郎や鈴木大拙の「場の哲学」や華厳や唯識や浄土教の「場の宗教」が解読されている。しかし清水理論の独壇場は、物理的な場所と生物学的な生命と数理的な情報を、ダイナミックに結び付けていったことにある。清水さんは徹頭徹尾の科学者で、生命関係学の提唱者なのである。

 【KEY BOOK】「〈いのち〉の普遍学」(清水博著/春秋社、3456円)

 十数年前から清水さんは、生命と地球と意識と社会という「異質な相」を、われわれがまたいで生きてきた秘密を解くためには、「相互誘導合致」や「与贈関係」という見方が必要だということに気がついていた。本書は、このきわめて深い見方を、〈いのち〉の普遍性がなぜ成立するのかという視点から解き明かした画期的な本だ。本当の「科学の知恵」とは何かが伝わってくる。唯識論の竹村牧男、親鸞研究の本多弘之、日本文化論の竹内整一との応答対話も必見。

〈いのち〉が継続するたびに

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