≪悔しさと手応え 大きな可能性秘める≫
主に選手たちが出場したのは、「ケルメス」と呼ばれる市街地での周回レース。夏休み期間中、ケルメスレースは毎日どこかの街で開催されており、選手たちは当日エントリーで参加することができる。参加費は安く、無料、あるいは5ユーロ程度。アマチュアのレースにもかかわらず、順位に応じて賞金が出る。参加人数は日によって異なるが、おおむね30~60人。コースは街のメーンストリートをスタート・ゴール地点として、数キロから10キロ程度の周回路となり、基本的には平坦(へいたん)基調だ。しかし、難しいコーナーが連続し、街を抜けると強い風が吹き荒れることもあり、コースの難易度は想像以上に高い。日本で開催されるレースとは違った特徴をもつ。
「門戸を大きく広げたい」という橋川健氏の思いから、今回参加したメンバーは、将来プロロードレーサーになりたいという夢は共通しているものの、競技レベルは、競技連盟の強化指定を受ける選手から、これまで目立った成績のない選手までさまざま。ケルメスレースでも、入賞する選手もいれば、毎レース完走することができずに悔しさを味わう選手もいた。
しかし成績を出すことよりも、「まずは本場のレースを知って、何か感じてもらうことが大切だ」と橋川氏は話し、レースが終われば、徹底的に反省点や課題を話し合った。