参加した高校生の鳴海颯(なるみ・そう)さん(G.S.Positivo)は、「最初のレースでは、スピードなど分からず戸惑う感じだった。少しずつ慣れて集団で完走できるようになったが、テクニックの違いも感じている」と感想を述べていた。また、「今回の遠征の経験は将来に向けて大きなステップになると思う」と、遠征の手応えを話した。脚質はクライマー、将来の夢はグランツールの山岳ステージで逃げて勝つ選手になることだ。
また期間中、選手たちは共同生活を行い、英会話やロードバイクの整備などのレッスンも受けた。親元を離れて、ここで初めてパスタをゆでる選手もおり、若い選手たちは本場のレースを経験するだけでなく、自転車選手として必要な基礎能力も高めた。
選手によっては2週間程度の短い滞在だったが、ここで経験したことは、多感な若い選手たちに必ずプラスになり、未来につながる大きな可能性を秘めている。(写真・文:フリーランスカメラマン 田中苑子(そのこ)/SANKEI EXPRESS)
■たなか・そのこ 1981年、千葉生まれ。2005年に看護師から自転車専門誌の編集部に転職。08年よりフリーランスカメラマンに転向し、現在はアジアの草レースからツール・ド・フランスまで、世界各国の色鮮やかな自転車レースを追っかけ中。