伊原間で11歳の頃から海人を続ける平正一さん(90)は、「昔は貧しい村で、皆が一致団結して船を担いで漁をした。今のよう保冷する機械もなく、獲った魚は船に乗せたまま街まで運んだ」と、ごつごつした手をさすりながら話す。
平さんの一家は、今では三世代でマリンレジャーや民宿、食堂などを抱える「たいらファミリー」を経営している。海とともに生きてきたファミリーが、海への感謝を込めて立ち上げたのが「船越屋ハーリー」だ。
≪観光客も海人も みんなで思い伝える≫
「船越屋(ふなくやー)ハーリー」は、平正一さんと、息子の正吉さん(64)、妻の八重子さん(61)が、18年前に始めた海神祭で、観光客も含め一般の人が参加して一緒に楽しめるのが特徴だ。
正吉さんは言う。「船を担いで、太平洋と東シナ海を移動させていた、先人たちの思いを後世に伝えたいと思ったのがきっかけだった。誰もが多かれ少なかれ海からの恩恵を受けている。年に一度でいいから、間接的に海と関わってる一般の人たちも参加して、尊敬の念を持って海を大事にしてほしいと考えた。地域の活性化にもつながればうれしい」