漁のあとの宴の席にもカツオのたたきが登場した。作り方を尋ねても「普通に作ってるだけ」としか説明がない。実際、船着き場の近くに置かれたドラム缶にわらを放り込んで燃やし、一瞬にして吹き出した炎にカツオの節をさっとさらすだけ。特別な工夫があるようにはみえない。
高知では、食材も人も土地の力を身に蓄えている。つややかなピーマンですらジビエだと感じてしまうのは、そのためであろう。高知で出合うカツオのたたきを語るのに多くの言葉は必要ない。ただ食べてもらえばいい。国境を軽々と超える、一流の味である。
「感じて動く」さま
日本の優れた工芸品や、長い年月をかけて培われた手わざの力を、広く世界に発信するために必要なものは何だろうか。
海外の優れたデザイナーとマッチングさせ、それをメディアにのせることも一つの手法ではある。