【KEY BOOK】「イメージとマネージ」(平尾誠二・松岡正剛共著/集英社文庫、555円、在庫なし)
平尾とは同志社4年の最後に会い、その後「エスクワイア」で対談してから深く観てきた。本書は、ぼくが「マネージメントがあるならイメージメントもあるんだ」と言ったことに共感した平尾の提案で本になったもので、我ながらいま読んでもおもしろい。平尾は歴代ベスト10に入るプレイヤーである。知的で、勇気もあるし、作戦立案力もある。ただ監督としては全日本を勝利に導けなかった。その悔しさは平尾の今日の人間味にもなっている。
【KEY BOOK】「人類のためだ。ラグビーエッセー選集」(藤島大著/鉄筆、1728円)
Jスポーツのラグビー中継でのべつ解説をしているのが藤島大だ。早稲田ラグビーの出身で、国立高・早稲田のコーチのあとスポニチの記者になった。以来、第1回W杯からすべてを取材している。ラグビーにも世界の選手にもやたらに詳しく、ほとんどオタクめいてるのだが、ラグビーに寄せる熱情も尋常ではなく、実況解説を聞く者全員をラグビーファンにする。本書はその語録。「人類のためだ」は早稲田の名伯楽・大西鐵之祐の言葉。