ノーベル物理学賞を受賞して、花束を受け取り笑顔を見せる、東京大宇宙線研究所の梶田隆章教授(右)=2015年10月6日夜、東京都文京区の東京大学(宮崎瑞穂撮影)【拡大】
≪「世界の中心」神岡 3装置から成果続々≫
ノーベル物理学賞に決まった梶田隆章・東京大宇宙線研究所長がニュートリノの実験に明け暮れたのが岐阜県飛騨市神岡町だ。神岡にはこれまで3つのニュートリノ観測装置が建設されて続々と成果を出しており、ニュートリノ研究で世界の中心地になっている。
神岡には地下1000メートルに鉱山の坑道跡がある。その岩盤によって観測の邪魔になる余計な粒子を避けられる。ここに小柴昌俊・東京大特別栄誉教授の主導で1983年に最初に造られたのが「カミオカンデ」。水3000トン分の円筒形タンクの内側に光センサーを1000個設置し、ニュートリノが水とぶつかったときに出る光を捉える。