ホワイトハウスにヒスパニック系の子供たちを招き、上機嫌のバラク・オバマ米大統領(中央)。レガシー作りにこだわるオバマ氏だが、原点である「2つの戦争」終結をめぐるシナリオには狂いが生じている=2015年10月15日、米国・首都ワシントン(AP)【拡大】
クロフト氏はプーチン政権によるウクライナ、シリアへの軍事介入にどう対抗するかを尋ねたのだが、オバマ氏は年末にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)への取り組みやイラン核合意といった外交努力こそが自らが考える指導力発揮の形であると位置付けた。2人のやり取りはかみ合わなかった。
オバマ氏はウクライナ南部クリミア半島併合をはじめとするウクライナへのロシアの介入では欧州を巻き込んで対露制裁を科し、イラクやシリアで台頭するイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対しては60カ国以上の有志連合を形成した。
確かに、オバマ氏が外交によってロシアを孤立させ、中東でイスラム国の包囲網を形成しているのは事実だが、決定的な打撃を与えられていないのはやはり軍事力の行使に足かせをはめているためだ。旧ソ連圏や中東でチェスのように地政学を実践するプーチン氏に通じる言語は「力」だけなのかもしれない。