【牧野直子の健康ごはん】
刺し身のつまに小さな黄菊がそえられていることがありますね。食用菊なので花びらをむしって刺し身に散らしたり、しょうゆに少量入れて、一緒に食べることで、菊の風味が味わえます。
この小さい菊は温室栽培で通年流通していますが、この時期は大きな紫や黄色の食用菊が出回ります。紫のものは最大の産地である山形県では「もってのほか」や「もって菊」という名前で呼ばれており、これは「菊の御紋」、つまり、天皇家の御紋である菊を食べるのはもってのほか、もってのほかおいしいという意味からきているのだそう。
今回、ごはんに混ぜた黄菊は青森・八戸の特産で「阿房宮」と呼ばれています。花なのでなるべく早く食べきることをおすすめしますが、冷蔵庫なら乾燥しないようにポリ袋などに入れて野菜室に入れて保存します。また、今回のようにゆでたものを小分けにして冷凍しておけば、出回っていない時期でも使うことができます。
食べ方としては、菊1輪ずつ天ぷら衣をくぐらせて揚げるのがいいでしょう。菊の天ぷらは豪華で油との相性もよく美味です。また、春菊やホウレンソウ、三つ葉などとゆでた黄菊をあえ物にするのもいいでしょう。花びらをサラダに散らすのもきれいですね。