米コロラド州ボルダーで行われた米大統領選の共和党候補たちによる討論会で、司会者の質問に対して巧みな切り返しを見せるマルコ・ルビオ上院議員(中央)。右は不動産王のドナルド・トランプ氏、左はジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事=2015年10月28日(AP)【拡大】
ハーウッド氏 「あなたの偉大さが他の人々の間抜けさや無能さに置き換わることで、国民の暮らし向きは良くなるというわけですね」
トランプ氏 「その通りだ」
ハーウッド氏 「率直に聞きますが、あなたの大統領選は漫画ですか?」
確かにメキシコとの国境に「万里の長城」を築いて不法移民の流入を防ぐといったトランプ氏の公約は現実離れしている。どのように「米国を再び偉大にする」のか、具体策も語っていない。
とはいえ、トランプ氏が共和党の指名争いで20%を超える支持率で首位に立っているのも事実だ。それを「漫画」と言い切ってしまうのは、「トランプ現象」の背景を掘り下げて伝えるべきジャーナリストとしての分をわきまえていない。
逆手に取ったルビオ氏
討論会での司会者の振るまいは、保守系メディアによって「民主党を利する狙いがあったのではないか」と指摘されるほどだった。それでも、共和党にとりアウェーのような司会進行を逆手に取ったのが、マルコ・ルビオ上院議員(44)だ。