米コロラド州ボルダーで行われた米大統領選の共和党候補たちによる討論会で、司会者の質問に対して巧みな切り返しを見せるマルコ・ルビオ上院議員(中央)。右は不動産王のドナルド・トランプ氏、左はジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事=2015年10月28日(AP)【拡大】
NBCとの提携見送り
共和党全国委員会は討論会を受けて、CNBCを系列局とするNBCテレビとの提携を見送り、来年2月26日に開催する予定だった討論会の共催を白紙にすると発表した。今回の討論会での司会進行が不誠実で質問が「正確さを欠き、けんか腰」だったことを問題視した。
米国の保守層は、NBCなどの大手ネットワークやニューヨーク・タイムズ紙の報道姿勢が民主党のオバマ政権に偏っているとして不満を募らせてきた。
トランプ氏はこうした「主流メディア」を批判することにより人気を博してきた側面が大きく、ある会場で聴衆に尋ねてみると「左傾化しているテレビや新聞が政治的に正しくないとして取り上げない『真実』を恐れずに語るところがトランプ氏の魅力」と答えていた。
共和党内の保守強硬派と穏健派の溝はまだまだ深いが、主流メディアは格好の「共通の敵」だ。報道を通じた候補へのネガティブ・キャンペーンをはね返し、メディアへの有権者の不満を結集させられるかは指名獲得への重要な一歩となる。(ワシントン支局 加納宏幸/SANKEI EXPRESS)