ミャンマーの最大都市ヤンゴンで投票所を訪れたアウン・サン・スー・チー氏=2015年11月8日(ロイター)【拡大】
午前6時から行列
「いつかこの日が来ると信じていた」。投票所に駆け付けた人々は政治的自由を謳歌し、国の未来を託す1票を投じた。最大都市ヤンゴン中心部のヒンズー教寺院に設けられた投票所。投票が始まった午前6時すぎ、50人近くが列をつくった。
「今こうして、大っぴらに取材に応じて政治を語ることができる。民政移管前は秘密警察が怖くて無理だった」。建設会社に勤める男性、テイン・ルウィンさん(46)がしみじみと語った。
学生だった1988年、民主化要求デモに参加し、友人らが投獄されるのを目の当たりにした。今回、NLDの候補者に投票したと明かし「軍政のせいで発展から取り残されてきた。今が変革のチャンスだ」と期待を込めた。
選挙では仏教徒とイスラム教徒の対立の根深さも浮き彫りとなった。ヤンゴンのイスラム教徒が多い地区では、投票を終えた人々が「無実のイスラム教徒が迫害され殺されている」「スー・チーさんがこの状況を変えてくれる」と口々に訴えた。