南ドイツ、特にアルプス山間部の村々に多い壁絵の家。特にオーバーアマガウは敬虔なカトリック教徒が多く、宗教画からグリム童話まで、様々な壁絵のある村として有名だ=2015年9月20日(佐藤良一さん撮影)【拡大】
ミュンヘンから南下する列車に乗って約1時間50分。オーストリアとの国境に連なるドイツアルプスの麓で、四方を山々に囲まれた終点の村、オーバーアマガウに到着した。
人口5200ほどの小さい村だ。中世の時代、イタリアのベネチアとドイツのアウクスブルクを結ぶ南北交通の要衝の一端を担い、アルプスを越えて北上したキリスト教をいち早く受け入れた地である。以来、今日まで、敬虔(けいけん)なカトリック教徒のすみかとなっている。
そんなオーバーアマガウの主要産業は、木像彫刻。イエスやマリア像などの聖像作品が主なものとなるが、世界中のカトリック教会にオーバーアマガウの木像彫刻は広がっており、その背景には、技術の確かさに加味された信仰心の深さがあることがうかがえる。
その信仰心は、村の家々に描かれた壁一面の宗教画や民話のフレスコ画にも見て取れる。始まりは諸説あるが、18世紀頃、当時裕福だった商人や職人が富と地位を示すために競うように壁をフレスコで飾ったというのが有力だという。地元ガイドのギュンターさんが説明してくれた。