閉鎖されたエッフェル塔をパトロールする軍の兵士=2015年11月15日、フランス・首都パリ(AP)【拡大】
「当初から偽装難民ではなかったのか」との疑問は消えない。フランスのオランド大統領は「国外で周到に準備され、国内の共犯者を得て実行された」と述べたが、この男と他の容疑者の関係や背後の組織も未解明だ。
10月10日にトルコの首都アンカラで起きた大規模テロ、エジプトでの10月31日のロシア機墜落、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ支配地で今月12日に起きたテロ、そしてパリ-。イスラム国が犯行声明を出した最近の事件はシリア、イラク国外での攻撃への転換がうかがえる。
これまでの標的は、不信仰者として敵視するシーア派や、シリア、イラク両政府が中心。2013年に米軍などが空爆を始めると、報復で米国人らを人質に取り殺害したが、支配地内での犯行だった。
ただ、シリアやイラクでの戦闘に参加した外国人が母国に戻って過激派のネットワークをつくり、欧州でも大規模テロの素地になっているとの見方は強い。1月の風刺週刊紙襲撃などフランス連続テロでは、死亡した3容疑者の一人の妻はシリアのイスラム国支配地に逃走したとされる。
欧州に大量流入する難民の中に過激思想への共鳴者がおり、地元のイスラム系移民とつながりができたとしても不思議はない。今回のテロは「起きるか、起きないかではなく、いつ起きるかという問題」(フランスのバルス首相)だった。