ルール強いる大人に牙むき
中学生の頃、程よくグレていた俺は、大人どもが強いる意味不明のルールに“ガチギレ”し続けていた。シャツのボタンを一番上まで留めてなかったからと襟首をつかまれ、怒られる。しかしそうして俺を締め上げる男性教諭はいつもだらしないジャージー姿で、お前の方がよほど身なりができてねぇだろと憤った。
朝の通学路、コンビニ前に仁王立ちしている生徒指導の天然パーマに「元気な声であいさつしない」と思い切り怒鳴られたが、お前の方がよほど迷惑だろうと不服だった。「けんか・暴力はいけません」と語る教師が、掃除をサボった生徒をボコボコに殴っている。「どうしてですか、おかしいでしょう」と理由を尋ねりゃ「内申点下げるぞ」「高校行くのに苦労するだろうなぁ」と脅されて、ろくすっぽ理由など説明してくれない。
盗んだバイクで走り出せば何の罪もない持ち主に迷惑がかかるだろうし、夜の校舎の窓ガラスを割って回っても何の仕返しにもならない。頭に来て教室の壁を殴ったら穴開いちゃって生徒指導室に監禁され、叱りに来た教師になぜか菊池寛作『恩讐の彼方に』を薦められて、帰って読んだ。悪党が山道にトンネル掘って村人たちに感謝されるヘンテコな話だが、読んでみたら感動したので文学に目覚めてしまい、図書館にこもって余計学校に行かなくなった。この本との出合いには感謝しているが、その教師も数年後、生徒を竹刀で殴ってたのがバレて免職されたとニュースで知った。全くデタラメな中学生活だった。