そんな中、京都市が従来の自動車重視から、人が主役の「歩く」ことを中心としたまちづくりに大きく転換しようと、「歩くまち京都」を理念に掲げ、昨年11月から行っていた四条通の歩道拡幅工事が10月末に完成。地上にリンクさせて、これまで古くて暗かった地下部分もなんとかできないかと京都市がキーヤンに相談を持ちかけて帆布の掲出が実現した。
京都市「歩くまち京都」推進室の福田敏男企画課長は「地上と合わせて地下にもにぎわいが生まれ、町中が活性化した」と歓迎する。
キーヤンは、「実はここの壁に絵を描こうと思っていた。その考えは今も消えていない」と話す。壁に描くには、いくつもの乗り越えなければならない課題と障壁が存在するだろう。しかし、あの薄暗く古い通路が、元気の出るポップなキーヤンの絵で覆われるのを見たいと思うのは私だけではないだろう。(写真・文:田中幸美(さちみ)/SANKEI EXPRESS)