石川県珠洲市(すずし)の郵便局に到着したマイナンバー制度の通知カード=2015年10月(共同)【拡大】
視覚障害者ら、制度関連の手続きが難しい人への配慮も十分ではない。介護保険関連の書類にも番号記載が必要になるが、介護を受ける本人の記入が難しいケースが多いとみられる。千葉県内の老人ホームの責任者は「認知症の入居者が多く、どう対応すればいいか分からない」と困惑する。
中部地方の特別養護老人ホームの施設長は「職員向けの講習をやったが、情報漏れがあった際の罰則を恐れる声がある」と話す。厚生労働省は近く、自治体や介護事業者に対し、マイナンバーの取り扱いに関する通知を出す予定だ。
自治体や企業からは、番号の通知期間の短さや制度の詳細が固まっていない点を懸念する声が出ていたが、制度を使って行政事務の効率化や徴税強化を目指す政府は、予定通りの導入を推し進めてきた。
「一番遅れが出てしまったのは(カードの)印刷、封入を終えた後、郵便局に持ち込む運送の過程だった」。高市早苗総務相は1日の記者会見で、国側の作業の遅れを認めた。一方、来年1月時点でカードを受け取っていなくても「デメリットがすぐに生じるわけではない」と予防線も張り始めた。