十五カ国もの子供たちにここまで支持される『ハルヴァ』とは、いったいどれほど美味しいのか。著者はその後も、大人になっても『ハルヴァ』を探し求めます。たった一口でここまで心に食い込んだ幻のお菓子の味。どんなのだろう、もはや「美味しそう」だけではとどまらず、私自身もなんとかして食べてみたい、食べたいという欲求が膨らんで、再読のたびにどうしようもなくなるのです。
今はインターネットで大抵のことは調べられます。ちなみにこの『ハルヴァ』も、レシピが検索できます。中でもNHKの『グレーテルのかまど』のサイトのものは、まさに米原万里さんが探し求めたハルヴァとなっていて、おそらくこれが、一番作中の味に近いのかもしれません。今度作ってみるつもりです。
ただ、不思議なことに、ネットで実際に画像を見たハルヴァより、文章だけで想像したハルヴァのほうが、ずっと美味しそうに思えてなりません。
文字の力と人の想像力のタッグは、実に強力なものなのです。(作家 乾ルカ、写真も/SANKEI EXPRESS)