串田和美さん(右)を理解するため、井上芳雄さん(左)は過去の作品のパンフレットを読みあさった。「でも分からない」「驚いてもらうことがいい刺激」と笑い会う2人=2015年11月19日、東京都渋谷区(寺河内美奈撮影)【拡大】
現代に置き換えて
井上ひさしは生前のインタビューで、島は実は死後の世界で、子供たちは希望を探して漂い続けるという趣旨の説明をしている。作品は「人間の基本的なところが入っていて、いつの時代にも成立する」という。議論してもけんかはせず、権力や悪、差別など理不尽なことに協力して立ち向かう子供たちの姿から、戦後の新しい人間関係を作りたいとの願いもあった。
演劇と音楽を融合させる舞台に評価の高い串田は、作品の普遍的な魅力を現代に置き換えようとする。大ベテランであるがゆえに従来の手法を白紙に戻し、壊そうとする。
文明の進んだ20世紀に対し、21世紀に入ってからは東日本大震災などの自然災害が起き、人間が大きな力の前に無力だと思わされる事象が相次いだ。「地球がどうかなったとき、島だけが動いて魂が浮遊しているとも考えられる」