串田和美さん(右)を理解するため、井上芳雄さん(左)は過去の作品のパンフレットを読みあさった。「でも分からない」「驚いてもらうことがいい刺激」と笑い会う2人=2015年11月19日、東京都渋谷区(寺河内美奈撮影)【拡大】
ミュージカル出身の井上は、ストレートプレーにも積極的に挑戦する。転機は井上ひさし作「組曲虐殺」の舞台で小林多喜二(たきじ)を演じたこと。それまでは演技が怖く、せりふ劇中心に活躍する俳優たちへの遠慮もあった。だがこの作品では「井上さんが書いた多喜二の言葉を伝えなくてはと思った。自分がやってもいい、自分でもできることがあると初めて思えた」。井上作品への思い入れは強く今回も「どんな役でもいいから出たかった」という。
井上は「自分の可能性をもっと知りたい」と、常に新しいことに挑戦する姿勢を持つ。「漫才みたいなコントや、パントマイムもやってみたい。『あの人また変なことしている』と思われた結果『こんなこと俺たちもしてみるか』と、ミュージカル界を牽引(けんいん)できる形になれば」と願う。