最高裁大法廷で判決に臨む寺田逸郎裁判長(中央奥)ら=2015年12月16日午後、東京都千代田区(大西史朗撮影)【拡大】
夫婦同姓規定について大法廷は、「婚姻を直接制約したものではない。制度はわが国に定着し、家族の呼称として意義がある」と指摘。さらに「夫婦別姓に合理性がないと断ずるものではない」と前置きしつつ、「婚姻制度などについての社会の受け止め方などへの判断を含め、国会で論ぜられ判断されるべき事柄だ」として、国会の裁量権を幅広く認めた。
明治時代以来100年以上続いてきた両規定をめぐっては、法相の諮問機関の法制審議会が1996年、選択的夫婦別姓を導入し、再婚禁止期間も100日に短縮するよう答申。しかし、国会や世論の反対が根強く、民法改正は見送られた。民主党政権時代にも改正の動きがあったが、法案提出には至っていない。
≪10件目 過去には一票の格差や国籍法など≫
最高裁は法律や命令などが違憲かどうか決める「違憲立法審査権」を持っており、憲法判断や判例変更をする際に、長官と14人の裁判官の大法廷で審理する。法律の規定を憲法違反と判断したケースは、今回の民法の再婚禁止期間が10件目だ。