題名のシトラス・パライソとは「オレンジの楽園」。世界の神話などに登場するヘビ、ヤギ、ライオンなどの動物を雄雌一匹(頭)ずつ描いた。研修で訪れたブラジルの人々の「陽気で、なにごとも深刻に考えない国民性に触れ、気持ちが少し楽になった」という。
ゲスト参加した風間サチコさん(1972年~)の木版画も面白い。「帰り船(黒い座礁)」と「帰り船(白い未来)」は、実は同じ版木でできている。「黒い座礁」の版木を彫り進めることで「白い未来」にした。「黒い-」に描かれている船は原子力船「むつ」であり、「白い-」の船は、原子炉を取り除かれて生まれ変わった環境観測船「みらい」なのである。風間さんは、高度成長時代や日中戦争、現代の社会問題などを、かつての漫画雑誌「ガロ」(1964~2002年ごろ)風のタッチに、ユーモアと皮肉を交えながら描く。