カッコよかったジョン・レノン
さて、主夫になりたい。っつって、ホントに主夫になった世界的な有名人が一人いる。元ビートルズのジョン・レノンだ。「3分間のロックンロールを作るより、人間一人育てる方が芸術的だ」なんて言って、5年間ほとんど人前に姿を現さず、パンを焼いたりオシメ替えたりしてたんだからカッコいい。
ビートルズが解散した1970年からの5年間はドラッグでグシャグシャになりながら浮気・不倫を繰り返し、1975年からの5年間は打って変わって家庭を愛し主夫業に専念、そんで1980年12月8日、音楽活動再開と同時に自宅の前で撃たれて死んだ。本当にむちゃくちゃな人だったが、「女性に自由を」という思いは嘘ではなかったし、死の直前の作品群は、5年の育休が彼の音楽に与えた変化を伝えてくれて興味深い。
息子へ向けたラブラブソング『ビューティフル・ボーイ』、女性という存在への愛と尊敬を歌った『ウーマン』、家族とともに幸せに老いていく希望をつづった『グロウ・オールド・ウィズ・ミー』なんかは、荒れていた頃のジョン・レノンでは絶対に生み出せなかった。つまり、主夫であったから、書けた曲だ。