原油安を受け、安値が続く東京都内のガソリンスタンドの価格表示=2016年1月13日午後(共同)【拡大】
燃料費節減の神風
ガソリン安は輸送コストの削減にも直結する。内閣府の景気ウオッチャー調査では「収支が改善してきた」(東海の輸送業)との声があった。エネルギーを大量消費する鉄鋼業界や化学メーカーも恩恵は大きい。三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長(69)は「原油が安いほどグローバル競争で良い方向に行く」と期待を示した。
東日本大震災以降、日本経済は原発停止に伴う火力発電の燃料費急増に苦しんできただけに「原油下落はまさに神風」と政府関係者は強調する。
一方、原油価格低下で在庫の評価損が膨らむ石油元売り大手は軒並み赤字を計上し、資源権益を持つ商社も打撃を受けている。特に石油業界はガソリンの需要低迷も重なり経営が厳しい。「国際的な競争力を持つ企業集団となることが喫緊の課題」(木村康JXホールディングス会長)として、生き残りに向けた再編の動きが広がっている。
林幹雄経産相(69)も「業界の発展の遅れや(新たな油田などの)開発停滞のリスクもある」と指摘している。