変わり果てた飼い猫
「おいでおいで」とやっとのことで2匹をおびき寄せて、それから、私は自分の目を疑った。えっ。まだ1歳になったばかりの野良の子が、まるで顔から下だけすげ替えられたように巨体になっていたのである。「何があった?」。私が聞くと、「量が分かんなくなって、餌を皿に山盛りにした」と旦那は答えた。
私は、その倍ほども膨れ上がった猫を、じぃっと見つめた。別の猫のように変わり果てている。元から白い長毛種だったが、今はそのおかげで床に腹を上にして寝転がると、まるであの、白い浮輪のお化けのような、ミシュランマンそっくりだ。途端に、これまで通り、猫たちを可愛がれるのか、自信がなくなってきた。私は慌てて「私、しばらく赤ちゃんで手一杯になるかもしれないから、かわりに猫のことよろしくね」と言った。
それから1カ月もたつと、心配していた通り、ナイーブな血統書付きのほうは、たまに餌を吐くようになってしまった。体重も、少しだけ減った。けれど野良のほうはといえば、神経がずぶといらしく、けろっとしているのである。ベビーベッドをわが物顔で占領するので、夜中は1匹だけリビングに閉じ込めているというのに、血統書付きのぶんまでガツガツ餌を食べようとする。