日本市場から撤退する米国・フォード社の販売ディーラー=2016年1月26日午後、東京都世田谷区(春名中撮影)。※一部画像処理しています。【拡大】
ニーズに追いつけず
2000年代に入り、日本の消費者は燃費への意識を強め、日系メーカーのハイブリッド車(HV)が大きくシェアを伸ばした。
一方、輸入車ではBMWやアウディなどドイツの高級車メーカーが、商品力に加え、デザインなどをアピールしてブランドイメージを向上。若者など新たな顧客層を開拓していった。
販売台数の多い輸入車メーカーは本社に日本市場向けの装備を要請したり、販売店を増やしたりできる。一方、フォードは台数が伸びず、「販売店も増やせない悪循環」(輸入車メーカー)に陥った。
また、フォードの14年の世界販売約630万台のうちアジア太平洋地域は約140万台で、110万台以上を中国で稼ぎ出した。中国シフトを強め、マツダへの出資を引き揚げた中、相対的に日本市場の重要度が低下したとみられる。(田村龍彦/SANKEI EXPRESS)