昨季は逃したW杯総合優勝の座も、7戦を残してイラシェコに400点近い大差をつけ、ほぼ手中にしている。10連勝を飾った優勝会見では「今季このまま連勝を続けるつもりか」と質問が飛び、隣に座るイラシェコが「ノーと言って」とささやいて会見場が爆笑に包まれた。愛される女王でもある。
W杯通算では男女を通じて歴代単独3位となる41勝。「鳥人」と呼ばれたニッカネン(フィンランド)の46勝を射程内に収め、1位のシュリーレンツァウアー(オーストリア)の53勝だって、来季には手が届く数字だ。女子ジャンプの世界を、まさに高梨が切り開いていく。2年後の平昌五輪まで、この好調を維持してほしい。
≪なぜ強いのか…分からないから天才なのだ≫
それにしても高梨沙羅(さら)は、どうしてここまで強いのだろう。羽生結弦(はにゅう・ゆづる)や内村航平の強さなら、説明できる。多くの元選手や評論家がすでにさまざまな解説をしている。だが高梨の強さはまだ、だれも説明をしきれていないのではないか。