「2015年度に物価上昇率2%」の目標を掲げている黒田東彦日銀総裁に対し、最近の経済指標が弱含みつつあるのを踏まえ、民間エコノミストだけでなく、日銀内からも疑問視する声が出始めた。黒田氏は、こうした内外の“異論”を押さえ込むことができるのか、正念場を迎える。
「今年度後半から物価が再び上昇し、2%に達する見通しに変わりはない」
8日の金融政策決定会合後の記者会見で、黒田総裁は従来通り強気だった。
日本経済全体の需要と供給力の差を示す「需給ギャップ」が今年1~3月期にプラスとなり、約6年ぶりに需要が供給を上回る需要超過になったことに触れ、いったん1%台前半に落ち込んだ物価が再び上向くと自信を深める。
だが、政策決定会合に参加する政策委員会メンバーの木内登英審議委員は7月31日の記者会見で、「2%の目標は日本経済の実力をかなり上回っている。個人的には1%か1%前後が望ましい水準」と、黒田氏とは異なる持論を展開した。