全国農業協同組合中央会(JA全中)会長に内定した奥野長衛(おくの・ちょうえ)さん【拡大】
全国農業協同組合中央会(JA全中)の次期会長に2日内定したJA三重中央会会長の奥野長衛(ちょうえ)氏は、農協改革で全中が一般社団法人になるのを機に、トップダウン型だった全中の運営手法から、各地域や現場の意見を重視するボトムアップ型への組織改革を進める。農政の大転換期を迎える中、全中を混乱なく新組織へ移行させ、地域農協や農家の自立を促せられるかが課題だ。(西村利也)
「全中は全国の農業組織のトップではない。(今の全中は)意思疎通ができていないと思っている。ボトムアップ型の組織に変えないと、今の時代は柔軟に対応できない」
奥野氏は2日、東京都内で記者団に対し、全中の自己改革を進める上で、組織を抜本的に見直す必要性を改めて強調した。
会長選では、全中副会長の中家徹氏が「政治との連携」を重視したのに対し、奥野氏は現執行部を批判の上、「全中組織の見直し」を訴え続けた。「組織改革」は多くの代議員の心をつかみ、奥野氏への集票につながったとみられる。
奥野氏がこだわるのは「徹底した現場主義」だ。農業現場を積極的に訪れ、農家からの意見収集を日課とする。伊勢農業協同組合組合長やJA三重中央会の会長を務めた際、過疎地の農村に展開した「介護保険事業」や「移動購買車」などは、まさに現場からくみ取った意見を反映させた事業だ。「現場のニーズに応じた施策には定評がある」などと奥野氏のリーダーシップを高く評価するJA関係者は多い。