TPP総合対策本部の会合であいさつする安倍晋三首相(左)=25日午後、首相官邸【拡大】
高齢化に伴い国内の農業は衰退を続け、耕作放棄地は滋賀県の面積にも匹敵する約40万ヘクタールまで拡大した。海外で販路を拡大できる競争力の強化を求める声は、農家からも上がっている。
政府は、農林水産業や中堅・中小企業の競争力強化策については今後見直し、より詳細な対策を来年秋までにまとめる構えだが、TPPを経済再生につなげるには、競争相手でもある他の参加国に先駆けて攻めの戦略を具体化する必要がある。達成に向けた道筋や成果の検証手法を明確にすることも課題だ。
成長の主役である企業の創意工夫を生み出すには、「不安払拭」に力点を置く今回の大綱では物足りない。参院選後を見据え、攻めに徹したTPP対策を早急に練り直す必要がある。(田辺裕晶)
【用語解説】環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)
太平洋周辺地域での貿易自由化に加え、投資やサービス、知的財産などのルールを決める包括的な経済連携協定。日本や米国、オーストラリアなど参加12カ国が10月5日に大筋合意し、来年2月以降の署名を目指す。各国の国内手続きを経て発効すれば、国内総生産(GDP)で世界の約4割を占める巨大経済圏となる。