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世代間の確執 敵意むき出しの危うさ…日本だけではない

ニュースカテゴリ:暮らしの仕事・キャリア

世代間の確執 敵意むき出しの危うさ…日本だけではない

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 日本のTVドラマを観ていて気になることがある。登場人物が50代であろうと30代であろうと、はたまた10代の高校生であろうと、「この歳でそんなことができるか!」とか「もうこの年齢だから…」というセリフがやたらに多い。だからか異なる世代への敵意をむき出しにするシーンも目につく。

 「どうして人生経験の乏しい30代以下で良いモノを見極めることができるのか?」

 今の日本でこんなセリフを表だって言いにくいのではないだろうか。世代論に敏感な人たちからエライ反発を受けそうだ。しかしイタリアには、こういう言葉をはっきりと口にして商売している人たちがいる。ミラノのある老舗刃物専門店だ。

 同店はファッションストリートにあり世界中のVIPが訪れる。従業員は全て男性。店でお客さんに対応するのは30代後半以上。最低5-6年、倉庫でモノをよく知ってから初めて客の前に立たせてもらえる。自分で商品に触り知識を仕入れ、扱い商品に愛情を感じないでどうしてお客さんの前に立てるのだ?というわけだ。

 刃物のよさを説明するのは難しく、それこそスペック表があるわけではない。よってメッセージを伝えるには、長期間の下積み生活が必要になる。

 製品そのものの理解に時間がかかるだけでなく、彼らのセレクトショップとしての扱い商品点数が1万5千点にものぼるということもある。

 これらの商品を全てデジタルデータ管理しているわけではない。手書きとの併用だ。それが「商品知識が身につく」コツだ。お客さんの要望を聞いてピンとくるには、商品と実際に触れる絶対的な時間量が要求される。

 実は前述した「どうして人生経験の乏しい30代以下で良いモノを見極めることができるのか?」という言葉は、店員に対してだけでなくお客さんのことも指している。

 この店では「お客様のいうことは全て正しい」という考え方をしない。お客さんはもちろん大事だが、お客さん、作る人、売る人、これらの全ての関係が良好でそれぞれがハッピーであることを目指す。

 そのため、「壊れたら新しいモノを買ったほうがいいですよ」とは言わない。修理をして使えるようにし、それを何度も繰り返し、そのモノが次世代に継がれることが彼らの希望である。

 「ブランドで売るということはしない。我々はモノを売るのです。それを気に入ってもらい、それが当店の商品だと後で分かればいいのです。ですから、商品のなかで我々のブランド名はできるだけ小さく隠れるようにしています」と言う。

 ここで考えるべきことがある。

 リーマンショック以降、北米や欧州という先進国の凋落が語られ、アジアの新興国市場が注目される。平均年齢が若いがゆえに成長市場とみられる。そして、「ブランドさえあれば何とかなる」と思う人たちも増えている。

 並行してデジタルネイティブが新しい世界を作る時代でもある。デジタルゆえのスピード感溢れる新しい感覚や考え方の担い手として若手の活躍が期待されている。何よりも若い世代はエネルギッシュで前進力が強いのは時代を問わない。

 しかし、それは新世代の全世界単独制覇を意味するのではない。歴史が判断に大切な要素とされる領域では、それなりの人生経験を要望して当然だ。それにも拘わらず若い世代の反発を恐れるあまり、「これについては絶対年数が必要だ」と言い切れない上の世代がいる。ここに危うさがある。冒頭で紹介したように特に日本でその傾向が強いが、イタリアも例外ではない。

 世代間の確執は、「時代が大きく変わった今、過去の経験をいったい使えるのか?」という疑問からくることが多い。変化の速度が増しているから経験の劣化も激しい。加えて「経験がイノベーションへの発想を邪魔する」と若手には援護射撃がくる。ますます中高年は及び腰になりやすい。

 だが、ここには前提への誤解がある。弱気になる必要はない。

 ある経験の他へのそのままの適用は同世代間においてさえ難しい。すべては個別の問題だからだ。経験を生かすとは「いきさつ」の知識をバックボーンにした現場リアル感の蓄積や周辺領域とのコネクトへの勘の活用である。また自分の経験エリア以外に未開地が果てしなく広がるとの自覚を促す。しかも時間軸を考慮しないイノベーションは歴史的金字塔を打ち立てにくい。

 拘りのモノだけに手触り感覚を伴うアナログ経験が必要なのではない。

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