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世界遺産の門前で触れる「心意気」 「進化し続ける料理」目指す 平等院表参道 竹林

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世界遺産の門前で触れる「心意気」 「進化し続ける料理」目指す 平等院表参道 竹林

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素材の味はもちろん、色彩など細部にも気を配った逸品  【京都うまいものめぐり】

 修復工事を終え、かつての輝きを取り戻した宇治市の平等院鳳凰堂は、世界遺産に選ばれていることもあり、国内外の観光客らでさらなるにぎわいをみせている。その門前で店を構える「平等院表参道 竹林」は歴史を感じさせる門構えとともに、日本料理の伝統や文化に新しい料理法を加味した「進化し続ける料理」を目指す“小粋な料亭”として注目を集めている。

 宇治市といえば、静岡茶、狭山茶と並んで「日本三大茶」と言われる「宇治茶」で有名な茶どころで知られる。静岡茶のような「深蒸し」に比べて「浅蒸し」と呼ばれ、抽出されたお茶は黄色を帯びた緑色。薄味だが、少し苦みがあり、のどごしの良さで人気がある。

 宇治茶の香り

 京阪電鉄・宇治駅方面からだと、宇治橋を渡り、そんな宇治茶の香りに誘われながら左折すれば、平等院までは10分ほど。沿道には茶屋はもちろん、宇治茶のうま味を生かした茶そばなどを提供する店舗などが軒を連ね、週末ともなれば押すな押すなのにぎわいをみせる。

 その活気あふれる平等院の表参道をしばらく歩くと、平等院鳳凰堂につきあたる。その門前に「平等院表参道 竹林」がある。お店の前に立つと、それまでのざわつきが嘘のように消え、静寂すら感じられるような独特の雰囲気に包まれる。

 店舗のたたずまいもあくまで控えめ。そしてお客を上品に出迎えてくれる。手入れの行き届いた庭園、和風建築に欠かせない打ち水…。これから始まる「食の時間」への楽しみを想像させる演出は十分だ。

 屏風に見立て

 案内された部屋は、畳敷きなのにテーブル席。しかも窓からは宇治川の清流や緑あふれる堤防などが望め、四季折々のスケッチが窓越しに楽しめるであろうイメージが広がる。

 店主の下口英樹さんは「お店のオープンにあたり、窓からの眺めを屏風に見立てるよう工夫しました」と、にこやかに語る。相当、こだわったのだろう。続き間の客室すべてのふすまを開け、「ガラス窓屏風」の全景を披露してくれた。

 下口さんは宇治市内の「京料理 竹林」の次男として生まれた。高校卒業後、料理専門学校へ。卒業後、京都を代表する料亭「菊乃井」で修業を積んだ。

 このお店は1997年「宇治川のほとりで、春はサクラ、秋は紅葉を眺めながら食事を楽しんでもらいたい」との思いから、平等院の門前にオープンしたという。

 「京料理(料理屋)の魅力は『ガストロノミー』(文化と料理との関係の考察の意)だと思うんです。だから、伝統を踏まえたうえで、素材への追求心にこだわり、進化し続ける料理を目指したい」(下口さん)

 熱々、モチモチ

 そんな料理人の“心意気”に少しでも触れるべく、お昼限定の「あさぎり御膳」をお願いした。

 宇治抹茶の風味を生かした豆腐はもちろん、旬の食材のうまみが熱々で楽しめる天ぷら、それに季節の京料理を色鮮やかに盛りつけた山海の味覚弁当、タケノコの炊き込みごはんなど、京料理の魅力をコンパクトにまとめた逸品だ。

 デザート感覚の笹の葉に包まれた抹茶生麩まんじゅうは、ほおばると生麩のモチモチ感と甘み、ほろ苦さがマッチ。思わず顔がほころんだ。もちろん、添えられた宇治茶ののどごしがまんじゅうそのもののおいしさや持ち味をさらに引き立てたのはいうまでもない。

 このほか、太い竹をそいで鉢代わりにしたアユの塩焼きや、湯葉という繊細さの極みのような食材の持ち味を最大限に生かした逸品など、細部にわたる気配りが感じられる素晴らしいメニューがそろっている。(文:西村力/撮影:恵守乾(えもり・かん)/SANKEI EXPRESS

 ■平等院表参道 竹林 宇治市宇治蓮華21(平等院正門前)。(電)0774・21・7039。営業時間は、昼は午前11時30分~午後2時30分。夕は午後4時30分~7時30分まで入店。水曜定休。昼食のみの京弁当は3000円、3600円、5000円。夕の京懐石は8000円~。事前予約がベター。

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