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ウクライナ大統領選 ポロシェンコ氏が勝利宣言

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ウクライナ大統領選 ポロシェンコ氏が勝利宣言

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ウクライナ大統領選_主な候補の得票率(開票率_約60%)=2014年5月26日現在  ウクライナ大統領選は5月26日、中央選管による開票率約60%時点の暫定集計で、親欧米派の実業家、ペトロ・ポロシェンコ最高会議議員(48)が得票率約54%を得票となり他候補を引き離した。ポロシェンコ氏は25日夜の記者会見で「ウクライナは新大統領を得た」と勝利を宣言し、「国民の多数派が欧州統合路線を信任した」と強調した。

 暫定集計では、親欧米派のユリア・ティモシェンコ元首相(53)が得票率13%、元記者の親欧米派、オレグ・リャシュコ氏(41)が8%と続いている。親露派のセルゲイ・チギプコ元副首相(54)は5%と低迷した。ポロシェンコ氏が投票総数の過半数を獲得し、6月15日の決選投票を待たずに勝利を決める公算となった。

 ポロシェンコ氏は記者会見で「ロシア抜きに地域の安定はあり得ない」と対露関係の重要性を指摘する一方、ロシアが南部クリミア半島を一方的に併合したことについては「違法な住民投票と占領を決して認めない」と強調した。

 また、親露派武装勢力が中枢施設の占拠を続ける東部のドネツク、ルガンスク両州の情勢正常化を最優先課題と位置づけ、政権側部隊と親露派武装勢力の戦闘が続く東部2州での「戦争と混乱」を終わらせることが喫緊の課題だと語った。大統領就任後の早い時期に現地入りしたいと述べたが、武装勢力とは交渉しない立場を改めて確認した。

 武装勢力の妨害で東部2州の約3分の2の選挙区では投票が行われず、投票が実施された地域の投票率は平均約60%だった。

 親露派政権が崩壊した2月の政変後、暫定政権を「非合法」としてきたロシアのセルゲイ・ラブロフ外相(64)は26日、ウクライナ国民の選択を尊重し、ポロシェンコ氏と対話する用意があると述べた。

 ポロシェンコ氏は1965年ウクライナ南部オデッサ州生まれ。大手菓子メーカー「ロシェン」を創業し、「チョコレート王」の異名をとる国内7位の富豪である。親欧米派による2004年の「オレンジ革命」を資金面で支え、ユーシェンコ政権下で05年に国家安全保障国防会議書記、09~10年外相、12年にはヤヌコビッチ政権で経済発展・貿易相を務めた。その後たもとを分かち無所属で最高会議(議会)議員に当選。今年2月にヤヌコビッチ政権を崩壊させた政変を支援した。(キエフ 遠藤良介/SANKEI EXPRESS

 ≪「チョコレート王」 甘くない前途≫

 ウクライナ大統領選で、ポロシェンコ氏が第1回投票で勝利を決める見通しとなった。ウクライナで決選投票なしに大統領が選出されれば、1991年12月のレオニード・クラフチュク初代大統領(80)以来。ロシアによる南部クリミア半島の一方的併合、東部2州の親露派による「独立宣言」と危機が続く中、有権者は老練な実務型政治家に国家保全の望みを託した。

 予断許さぬ東部2州

 今回の選挙戦について、リビウ国立大のロマニュク教授(政治学)は「決選投票までもつれ込めば国の危機が深まるだけだ。有権者はそんな意識から勝てそうな候補に票を集中させた」と見る。有力候補と目されていた第二与党「ウダル」のビタリ・クリチコ党首(42)が大統領選と同時に行われたキエフ市長選に転じ(当選確実)、ポロシェンコ氏支持にまわったことも大きかった。

 2004年の「オレンジ革命」を主導した親欧米派、ティモシェンコ元首相は過激な言動を警戒されるなどして伸び悩んだ。これに対し、ポロシェンコ氏は東部情勢の正常化やロシアとの対話に向けたバランス感覚を期待されている。

 ただ、ポロシェンコ氏が東部のドネツク、ルガンスク両州の混乱を収拾できるかは全くの未知数だ。今回の選挙では親露的な東部を地盤とする候補が逆風にさらされて振るわず、それだけ東部2州の親露分離主義勢力が異質なものとして浮き上がった。この勢力はいっそう過激化する兆候を見せており、2州の動向は予断を許さない。

 親露派「対話の用意」

 一方、ウクライナ大統領選で、ドネツク州の親ロシア派勢力リーダー、プーシリン氏は5月26日、当選を確実にした親欧米派のポロシェンコ元外相と「対話の用意がある」との声明を出した。声明は、ロシア側代表者の出席を条件に掲げ、ウクライナからの分離独立の構えを崩していないが、混乱の長期化で東部住民は将来への不安を募らせており、親露派勢力が今後も住民の支持を確保できるかどうかは不透明な情勢にある。

 ウクライナ中央選管によると、親露派武装集団の妨害にもかかわらず、ドネツク州とルガンスク州では数十万人の有権者が大統領選に投票し、それぞれ15%近くの投票率に達した。開票の結果、ポロシェンコ氏が得票率30%以上を集めてトップに。ウクライナ統一を願う住民が、親露派の暴力行為に嫌悪感を抱いている実態がうかがえた。(キエフ 遠藤良介、ドネツク 佐々木正明/SANKEI EXPRESS

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