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【勿忘草】地域を力づける歴女

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【勿忘草】地域を力づける歴女

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 最近では何かブームになると、すぐに「○○女」とか「○○男子」という言葉が誕生する。そのなかのひとつ、「歴女」はだいぶ市民権を得た造語となった。日本史、とくに戦国時代や幕末にはまる女性たちのことで、歴史モノのゲームや漫画をきっかけに現れた言葉のようだ。

 にわかなブームに乗ってその道に足を踏み入れたわけではない、筋金入りの「歴女」たちを先日取材した。

 徳川家康の東軍と石田三成の西軍が天下分け目の戦いを繰り広げた岐阜県関ケ原町。寒風吹きすさぶ合戦場の中心地に昨年、「ココカフェ」がオープンした。店を1人で切り盛りしているのが伊藤理絵さん(34)。旅行で各地の史跡を訪ね歩くなかで、地元の歴史を語ってくれるのは高齢者ばかりだということに気がつき、「若い世代にも歴史を伝えていかなければ」との思いを抱いたという。関ケ原町内にある民間の歴史体感施設の館長を2年ほど務めたあと、歴史の舞台でカフェを開くことを決意した。

 メニューは「合戦カレーランチ」や好みの武将の旗を立ててくれる「陣地ーズケーキ」といった関ケ原の戦いにちなんだもの。「料理出陣」の合図としてホラ貝を吹いてくれるといった演出もあり、歴史好きにはたまらない空間だ。

 福井市でカフェを開いた後藤ひろみさん(45)も歴史に熱い女性だった。約15年前に地元の福井市に戻ってきた後藤さんは、ふるさとの歴史にのめり込んだ。「もっと福井の歴史を発信したい」との思いから、福井県立歴史博物館のカフェ運営者に応募、今年4月にオープンさせた。

 後藤さんの歴史好きが知られるようになると、歴史好きの輪が広がっていった。オープンから半年ちょっとだが、すでに老若男女問わず、歴史談義に花を咲かせることができるスポットになっている。

 後藤さんは「自分が暮らす街の歴史に触れることは、自分に誇りを持つことにもつながる。そのつながりを生み出す場でありたいですね」と話している。

 歴女の「歴史愛」は地域を活性化させる力にもなる。そう感じた取材だった。(佐々木詩/SANKEI EXPRESS

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